びぜん 光正 のあしあと 

長野県議会議員 日本共産党長野県議団 びぜん光正のブログ

止めるに止められない?奈良県大滝ダム


大滝ダム 18日は朝から奈良県川上村の大滝ダムのサイトにある紀ノ川統合管理事務所に向かった。
現地で党川上村議の塩谷さんに同行いただき国土研の先生方とともに説明を伺った。
 奈良県から和歌山県を流下する紀ノ川(吉野川)の上流部では昭和34年の伊勢湾台風の際、甚大な被害(死者184名全壊流出家屋340戸、浸水家屋約15000戸など)を引き起こした。これらの洪水調節とともに、水資源の有効活用のために水道用水、工業用水、発電などのための多目的ダムとして国土交通省によって昭和37年から事業着手されてきた。総貯水量8400万t、洪水調節は計画高水流量5400t/秒のうちの2700tを調節し、総事業費約3480億円というものである。
 本体は昭和63年着工、平成14年にはダム本体のコンクリート打設完了したが、試験湛水を開始した平成15年3月に最高水位の半分ほどの湛水で川上村の白屋地区の地盤にひび割れが入り地滑りに対しての調査が県や国が対策委員会を立ち上げるが、結局この白屋地区の住民はやむなく移転し、現在は廃屋の撤去がおこなわれていた。
 
 

白屋地区1 同ダムは当初予算230億円、それが5回の計画変更がなされいまや3480億円に。さらにこの地すべり対策が白屋地区で270億円、さらに地すべりが起きている、迫(さこ)地区と大滝地区には160億円ともいわれる地すべり対策費用が予算化されるところであるという。
 白屋地区住民はダム計画中から全戸移転の要求をしていたが、国交省は「万全な対策をとるので、地すべりは起こらない」としこれを拒否してきた。試験湛水してひび割れがおきたが、大規模な地すべりは予測できないと地滑りをおこした責任を国は取ろうとしていない。また村当局もダム建設に伴う立ち退き者以上の補償は不公平として災害補償に反対しているという。県はダム建設推進の立場で、水没による立ち退き者には生活再生資金を支出したが、白屋地区住民にはその理由がないとしているという。

 
白屋地区2 

白屋地区3
 説明していただいた国交省の担当専門官はこの地すべりは「初生地すべり」といい、いわゆる想定外の地すべりがおきたと言っている。通常、貯水することによって発生する湛水地すべりは、既に昔動いたことがある斜面が貯水の影響を受け活動を再開させることが多いということだそうであるが、初生地すべりは昔動いたことがない斜面が突然動きだすものであり、これを事前に把握することは困難だと説明された。
 
 

白屋地区4
 浅川の地質がもろい凝灰岩であり、しかも掘削をおこなって風化の起きていない岩盤上にダムの基礎部分の建設を行なうから大丈夫といわれるが、風化の進み方も早くすでに地すべりブロックが発生してきていたり、すぐそばではかつて地すべりにより老人ホームのお年寄りの命が奪われていることからも、地層のもろさが露呈している。かつておこなった地質調査で大丈夫といわれても、大滝ダムが初生地すべりへの対策で事業費がうなぎ上りになり、人が住めなくなった白屋地区に入るために建造された通行する人もいない巨大アーチ橋をみても、止められなくなっているこの事業の二の舞にならないと誰が保証できるのか?対岸の火ではない。

 話は違うが、帰りの名古屋行きの近鉄の列車では偶然にも元力士の舞の海さんと同じ車両になり、名古屋の改札を出るところで声をかけさせていただいた。気さくな方で、あとから見ていた藤沢議員が「ほとんど変わりない体格だったね」と。喜んでよいのか・・